学生割引(学割)は、JRから指定を受けた学校の生徒を対象に、JRの運賃が2割引になるという制度です。普通の中学、高校、大学は学割の対象になります。専門学校も多くは学割の対象になります。
学割が利用できるのは、片道101km以上、JR線を利用する場合です。新幹線もJR線に含まれます。つまり、片道101km以上新幹線を利用するときは学割が適用されます。
学割を利用するには、所属する学校が発行する「学生・生徒旅客運賃割引証」(学割証)が必要です。
以下では、新幹線の学生割引についてわかりやすく解説しましょう。
学生割引とは
学生割引(学割)とは、JRが指定する学校の学生・生徒に対して、JRの運賃を2割引にする制度です。
JRが指定する学校とは、中学・高校・大学・専修・各種学校で、学校教育法が定める日本の学校はほとんどが含まれます。ただし、幼稚園や小学校は対象外です。小学生は子供料金なので学割はありません。幼稚園児は大人と同伴時は無料です。
大学などの場合、学割が適用されるのは正規学生のみです。聴講生などは対象外です。
特急料金は割引にならない
学割で2割引になるのは運賃だけです。特急料金は割引になりません。新幹線の料金は「運賃+新幹線特急料金」の総額ですから、全体の新幹線料金が2割引になるわけではありません。新幹線を利用する場合、総額からおおむね12%〜13%程度の割引になります。
学割料金の具体的な金額は「料金表」をご覧ください。
学割で指定席を利用するときは?
学割でも指定席を利用することができます。その場合は、運賃は2割引、指定席特急券は定価です。グリーン車もグランクラスも利用できます。この場合も、グリーン料金やグランクラス料金は定価です。
往復割引も適用される
JRには往復割引という制度があります。片道601km以上の距離を利用する場合、運賃が1割引になるという制度です。これは学割にも適用されます。つまり、学割で片道601km以上、JR線を利用する場合は、往復割引で1割引になった運賃がさらに学割で2割引になります。トータルでは運賃が28%割引です。この場合も、特急料金は定価です。
往復割引の適用を受けるには、往復同時に乗車券(きっぷ)を買う必要があります。特急券(無割引)は後で買っても構いません。往復同時に乗車券を購入する場合、学割証は1枚でかまいません。
学割での新幹線チケットの買い方
学割で新幹線のチケットを購入するには「学割証」が必要です。学割証は、正式には、「学校学生生徒旅客運賃割引証」といいます。
学割証は、自分の通っている学校から発行してもらいます。申請手続は学校によって異なりますので、学生課などにお尋ねください。多くの学校では、簡単な手続で発行してくれます。
学割証を持ってJRの駅窓口に行き、利用したい区間や列車名などを伝えると、学割で新幹線チケットが購入できます。学割証はその場で窓口に提出します。自動券売機やインターネットでは、学割で新幹線のチケットを購入することはできません。駅窓口のみの扱いです。
学割での購入は、新幹線乗車日当日でも可能です。列車に乗る日に駅に行き、学割で新幹線チケットを買い、すぐに新幹線に乗ることもできます。
まとめると、学割で新幹線のチケットを買うときに特に必要となることは、「学割証をもらうこと」だけです。それと「駅窓口でしか購入できない」ことを頭に入れておきましょう。
新幹線の格安チケットと学割はどちらが安い?
新幹線には格安チケットと呼ばれるものがあります。金券ショップで販売されているのは、回数券のバラ売りが多いですが、これと学割を比較しますと、基本的には学割のほうが安いです。
それ以外の、新幹線の割引きっぷなどと比較すると、ケースバイケースです。たとえば、東海道新幹線の「ぷらっとこだま」なら、「ぷらっとこだま」のほうが安いことが多いでしょう。東北・上越・北陸新幹線などの「えきねっとトクだ値」と比較しても、「えきねっとトクだ値」のほうが安いことが多いです。
要するに、学割はたいていお得ですが、必ずしも学割が一番安いとは限りません。